てほぬかのブログ

基本的に映画の感想を残していきます

映画「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」感想 ~Remember, the force will be with you always~

 

スター・ウォーズ」シリーズの実写映画本編の第1作となる作品で、帝国軍と反乱軍の戦いに巻き込まれていくスカイウォーカーの姿が描かれています。ルーク・スカイウォーカーを「マーク・ハミル」が、オビ=ワン・ケノービを「アレックス・ギネスが演じ、ジョージ・ルーカスが指揮を執っています。

 

※以下の内容にはネタバレを含みます※

 

 今まであまり見てこなかったディズニーの映画を見たいなと思って、ディズニー+に入会しました。「MARVEL」シリーズか「STARWARS」シリーズどちらから見るか迷いましたが、「MARVEL」シリーズは作品数が多すぎてなかなか一通り見るのが大変そうだったので、「STARWARS」シリーズから見始めることにしました。

 

 「STARWARS」シリーズに関して知っていることといえばフォースという特殊能力があるということと、ダースベイダーという敵がいることぐらいのド素人です。なのでせっかくなら公開順に順番に見ていこうと思ってエピソード4から入ってみました。

 1970年代のSF作品というだけあって、CGだったり架空の生物の挙動というのは不自然に感じるところはありましたが、逆にそれが味だと思って楽しみました。


物語自体は実写映画第1作ということもあって導入のような部分が大きかったように思います。フォースの紹介や帝国軍の過去について少し触れたりすること、スカイウォーカーが帝国軍と戦うためのルートづくりなどが中心で少し退屈でした。
でも、終盤に差し掛かると反乱軍対帝国軍の戦いの構図がしっかりとし、戦いの迫力があって楽しめました。特に、金をもらって逃げたと思ったハン・ソロが、いいところで表れてスカイウォーカーを助けるシーンはベタですけどいいですよね。「フォースがついてるぜ」とはこのことを示唆していたのでしょうか。

 

それにしても、オビ=ワン・ケノービは確実に死んでませんよね。服だけ落ちていたので、フォースの力で瞬間移動的なものが可能なのか、それともとても小さくなることができたりするんでしょうか。いずれにせよ今後の作品でもどこかでオビ=ワンが助けに来てくれる場面がありそうです。

 

"Remember, the force is with you always"
フォースは何時もあなたと共にある。フォースが使えるようになったら言ってみたいです。

映画「ブレインゲーム」感想 ~慰めとは何か~

 予知能力を持つ医学博士と連続殺人犯の対決を描いたスリラー映画です。博士役を「アンソニー・ポプキンス」が、犯人役を「コリン・ファレル」が演じ、「アフォンソ・ボイアルチ」監督が指揮を執っています。原題は「Solace」、慰める・慰めになるものといった意味があります。R15指定が入っているおかげか、生々しいシーンがいくつかあります。

 

※以下の内容にはネタバレを含みます※

 

 序盤からジョンの予知による伏線がたくさん張られていき、後半にテンポよくその伏線が回収されていったので退屈せずに最後まで鑑賞できました。予知能力があるという設定なので映像が過去や未来に飛んでいきます。シーンの断片をちらちらと見せ、最後にその意味が分かるという構成はとても好きです。

 

 物語と関係ないところでいうと、ジョンを演じている「アンソニー・ポプキンス」の表情が見所です。不愛想であまり表情を変えないジョンが時折見せる笑顔と犯人と会話しているときの何とも言えない表情が印象的でした。

 チャールズが映像でカウルズ捜査官に語り掛けるシーンでは、映像なのにも関わらず目線をカウルズに向けて話しかけているのは細かいところでチャールズの能力の高さを表しているなと感じました。

 

 余談ですが、予知能力の優劣ってどこでつくんでしょうね?何手先まで見通せるか、なのかより早く結末を導くか、なのかはたまたほかに能力の優劣をつける要素が何かあるのか。結末を導く早さで優劣が決まるというのが僕の中では有力です。ジョンの予知能力がチャールズより劣っているというのも自然に納得できますし。

作中、ジョンは予知能力のことを「並外れて鋭い勘」と表現していましたが、現実でもあのように未来が見えたり過去が見えたりすることもあるのでしょうか。経験や知識から少し先の未来が予測できる、みたいなことは現実でもたまにありますが、その能力の延長だとするなら使ってみたい能力ですよね。

 

 さて、ここからは僕なりの考察です。

 殺人犯のチャールズは安楽死を与えるためにその能力を使っていましたが、最後にはジョンに打たれて死ぬという未来を選択しました。ジョンより優れた予知能力を持っているにもかかわらず。
この理由として僕が出した答えは

自分も将来病気などで苦しむ未来が見えていたから

だと思います。「続けられないんだ」「俺を撃つもう1つの理由もわかるはず」といった言葉から推察しました。

 自分は苦痛を感じる前に誰かによって殺されてしまいたい。チャールズはそう考えているため、ほかの病気で苦しむだろう人々を即死によって解放してあげようという行動に出たのだと感じました。彼なりの正義だったのかもしれません。

 

 原題にあるように、病気などで苦しむ人にとって死は「慰め」となるのかといった問題が提起されているように感じました。安楽死は人によって賛否が分かれる問題だと思います。こうゆう問題に対する現時点での僕の考えは、個人の意思を尊重するべきだと思ってます。それに尽きると思います。

 

 

映画「エクスペリメント」ネタバレ感想

概要

 アメリカで行われた「スタンフォード監獄実験」という心理学の実験がベースとなっている映画です。ドイツ映画「es」をハリウッドでリメイクしたものとなっています。監督は「プリズン・ブレイク」シリーズで製作指揮・脚本を担当したT・シュアリングが務めています。

あらすじ

 高報酬であることを理由に24人の男たちが刑務所を模した場所での心理学実験に参加します。男たちは監視者によって看守と囚人に分けられ、2週間決められたルールに従って過ごすことになります。無事に実験を終えることができたのでしょうか…

感想

 真面目そうに見える人が一番闇を抱えているパターンは怖いですね。普通の実社会では嫌なことがあっても自分を制御して生きていけるのでしょうが、好き放題できる権力を手に入れたら平気で非人道的なことをしそうです。
それにしても、看守のリーダーであるバリスの言動は腹が立ちましたね。主に2つの点で。

まず1つは、囚人に罰を与えることが許されるのを確認してから積極的に意見を出し始めた点です。罰を与えてもいいことが確認できているので自分はリスクを負うことなく囚人をいじめられます。二番煎じ、パイオニアの後追いって楽ですよね。まあ、僕も何かで1番になれているわけじゃないので人のこと言えないですけど。

もう1つは、権力に付けあがって気持ちよくなっていたところです。自分は特に何もしてないのに、役職や立場がそうというだけで横柄な態度を取る人いますよね。あれすごく嫌いです。よくあるところだと、「客だから」とか「先輩だから」とか。そのくらいのステータスでしか威張れない人はかわいそうですよね。「社長」とかで威張るならまだわかりますが…

あと、よくあんな非人道的なことができたなと思いましたね。この感情は恐怖に近い感情です。看守と囚人という役職が与えられただけでそんなに人を傷つけられるのかと。もちろん映画なので誇張された表現もあると思いますが、実際のスタンフォード監獄実験でも人権を侵すようなことは行われていたようですね。
その状況に置かれてみないとわからないことの方が多そうです。

 

考察

 非常に単純な考察ですが、この映画のテーマは「権力(理不尽)への反抗」だと思っています。
主人公のトラヴィスは常に理不尽な看守の命令に反抗していました。服役歴がある男に看守への服従を促された後も戦い続けました。トラヴィスが抵抗をやめ、あきらめていれば、さらなる屈辱を与えられていたことでしょう。
序盤に彼女が「あなたの拳は汚れていない」と言っていました。ラストシーンでは傷ついた拳にキスするのみでした。その時のトラヴィスのやるせない表情から、拳は汚れてしまったが人としての尊厳を守るために仕方なかった。彼女もそれを理解しているように感じました。

最初に出てきた映像は同種の争いが多く、時折肉食動物が草食動物を狩っていることから、人間同士で強い者が弱い者を喰らうという物語の展開を暗示しているものだと考えます。

ラストシーンがインドのヴァラナーシーというところにも何か意味がありそうですが、ヒンドゥー教や仏教に詳しくないので考察できないのが悔しいところです。

 

総評

 物語的には最後囚人側が反乱を起こして実験が終わるというのは予想通りだったので驚きなどはなかったですね。でも、人間には置かれた状況で何をするかわからないという怖さが学べた映画でした。長いものに巻かれない勇気の大切さもわかる映画でしたね。

映画「ミスト」ネタバレ感想

 あらすじ

主人公のデヴィッドと息子のビリーは買い物のために町へと向かう。スーパーで買い物をしていると、後サイレンが鳴りだし、「霧の中に何かいる!」と叫ぶ男性が逃げ込んでくる。その直後、辺りは霧に覆われ店にいた人たちは店で様子を見る判断をした。霧の中にいる「何か」によって店の様子は混乱へと向かっていく。

 

感想

非常に面白かった。バッドエンドの映画の面白さを知るいい機会になった。

他にまだバッドエンドの映画を見たことがないので何とも言えないが、この絶望感を与えられる映画はなかなかないと思う。
デヴィッドは自分や他の人の身を危険にさらしながらも息子や店にいる人を守るために難しい判断をしてきたが、結局、店の中で努力は報われず。何なら悪い方向へ状況が動いていたとも言えるかも。
まあ、店から脱出できたし車で走っていれば希望が見えてくるのかと思っていたら、銃の残弾の話をしだすし…主人公には幸せな結末が待っているのだろうと思っていた自分の予想はきれいに裏切られ、絶望感を感じた。

テーマについて

物語の結末は驚いたが、伝えたいことはまた別にあると思っていて、それは「人の心の弱さ」だと思っている。それを一番感じた人物は機械工のジムである。
ジムは序盤、デヴィッドに対して悪態をついていたにも関わらず、若いスーパーの店員を死なせてからデヴィッドに頼るようになる。だが、終盤に差し掛かると神を信じ祈るようになる。今度は批判していたカモーディを頼っているのだ。コロコロと信じるものを変え、多数派のポジションから少数派に石を投げる。そんなジムの姿に悪印象を感じた。
それと対照的に描かれていたのが、一人で子供のもとへ向かった短髪の女性だと思う。子供を助けるために一人でも霧の中に入っていった。その結果、生き延びることができていた。子供が二人彼女の腕の間にいたから、心配していた息子と娘も無事だったのだろう。彼女の強い意志が家族を守ったのである。

追い込まれた状況でも強い意志を持って生きるべきだ、ということがこの映画のテーマだと考える。

(強い意志を持っていることが重要なら、デヴィッド達も最後生きていてもおかしくなかったかもしれない。しかし、デヴィッドは目の前で死にそうな人間全員を助けようとしていた。時には息子をひとりにして。皆を「助けよう」としたデヴィッドと、子供を「守ろう」とした女性で差ができてしまったのではないかと思う。何かを守るには、何かを捨てる勇気が必要だったのではないかとも感じた。)