てほぬかのブログ

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映画「ミスト」ネタバレ感想

 あらすじ

主人公のデヴィッドと息子のビリーは買い物のために町へと向かう。スーパーで買い物をしていると、後サイレンが鳴りだし、「霧の中に何かいる!」と叫ぶ男性が逃げ込んでくる。その直後、辺りは霧に覆われ店にいた人たちは店で様子を見る判断をした。霧の中にいる「何か」によって店の様子は混乱へと向かっていく。

 

感想

非常に面白かった。バッドエンドの映画の面白さを知るいい機会になった。

他にまだバッドエンドの映画を見たことがないので何とも言えないが、この絶望感を与えられる映画はなかなかないと思う。
デヴィッドは自分や他の人の身を危険にさらしながらも息子や店にいる人を守るために難しい判断をしてきたが、結局、店の中で努力は報われず。何なら悪い方向へ状況が動いていたとも言えるかも。
まあ、店から脱出できたし車で走っていれば希望が見えてくるのかと思っていたら、銃の残弾の話をしだすし…主人公には幸せな結末が待っているのだろうと思っていた自分の予想はきれいに裏切られ、絶望感を感じた。

テーマについて

物語の結末は驚いたが、伝えたいことはまた別にあると思っていて、それは「人の心の弱さ」だと思っている。それを一番感じた人物は機械工のジムである。
ジムは序盤、デヴィッドに対して悪態をついていたにも関わらず、若いスーパーの店員を死なせてからデヴィッドに頼るようになる。だが、終盤に差し掛かると神を信じ祈るようになる。今度は批判していたカモーディを頼っているのだ。コロコロと信じるものを変え、多数派のポジションから少数派に石を投げる。そんなジムの姿に悪印象を感じた。
それと対照的に描かれていたのが、一人で子供のもとへ向かった短髪の女性だと思う。子供を助けるために一人でも霧の中に入っていった。その結果、生き延びることができていた。子供が二人彼女の腕の間にいたから、心配していた息子と娘も無事だったのだろう。彼女の強い意志が家族を守ったのである。

追い込まれた状況でも強い意志を持って生きるべきだ、ということがこの映画のテーマだと考える。

(強い意志を持っていることが重要なら、デヴィッド達も最後生きていてもおかしくなかったかもしれない。しかし、デヴィッドは目の前で死にそうな人間全員を助けようとしていた。時には息子をひとりにして。皆を「助けよう」としたデヴィッドと、子供を「守ろう」とした女性で差ができてしまったのではないかと思う。何かを守るには、何かを捨てる勇気が必要だったのではないかとも感じた。)